
わが国は昔からカビの文化を有する国といわれ、納豆や味噌や酒を作るときカビをうまく活用してきました。
しかし近年医学の進歩とともにカビの恐ろしさの研究が徐々に進み人体に悪影響を及ぼす事が判明されてきました。
カビが生えると、カビを食べるダニが増えます。
赤ちゃんは呼吸した時にカビやダニを体内に入れないように無意識に喉を狭め、ダニの死がい、フン、カビの胞子等を外へ出そうとします。それが激しくなると喘息になります。アレルギーもこのカビやダニの影響が大きいと考えられます。最近のデータでは60%以上がダニアレルギーであるとも言われています。
アレルギーを引き起こすアレルゲンの90%はカビやダニに起因し、主に結露などが原因となって住宅内に繁殖します。更にカビの胞子を人間が吸い込むと真菌カビ感染症の原因となり過敏性肺炎やカビアレルギーを引き起こす場合があります。
これらのカビは深圧性真菌症といい、肺や脳、胃腸管などの病巣を作られると死に至る場合もあります。
先ごろテレビで殺人カビとして紹介された「アスペルギルス・フミガータス」というカビもその一つです。
カビの胞子は空中に浮遊するだけでなく、観葉植物にも寄生することがあり、日常的な空間ではごく微量にしか存在しませんが、健康を害している時や、お年よりや子供など生活弱者に対して、死に至らしめる事につながります。
カビが極端に多くなればそれだけ危険性も増すことになります。
突発的な死の原因の解明する中で、カビ菌によりもともとの病気が病変することがあります。
K−1の格闘家、アンディーフグ選手の死亡解剖の結果、肺にカビが蔓延してあったとスポーツニッポンに報じられました。
医学の発達によって、カビが小児喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等の一因となっていることが次々にわかり、テレビ、雑誌等で報道されました。今では住まいの現代病として社会的問題になってきてます。さらに医学会のパンフレットには、カビはガンの一因とも記されています。
カビの生えたものを食べるとガンになるとの指摘も医学的にされています。
急増しているガンは、肺ガン、肝臓ガン、大腸ガンがあり、前二者は空気汚染と関係があります。タバコの煙、カビ、ダニが肺の中に入ってきます。
エイズ患者の死亡した肺を調べたところ、肺の中がカビだらけであったといいます。
皮膚にカビが生えてボコボコになっている人もいますし、脳の中にカビが生える例もあります。頑健な人は菌が体内に入ると白血球が菌を包んで外へ出してしまいますが、白血球の壊れたエイズ患者は抵抗できず、肺の中までカビに侵されてしまいます。それほどカビは恐いものであります。
住まいの密閉度が高まると、空気の汚れも問題になります。空調ダクトの中にカビが繁殖して、空調設備からカビがまかれる危険も増えているのが現状なのです。
最近の住宅がカビが生えやすいのは、隙間のない家ができた事と、畳干しのような大掃除が無くなったこと、さらに石油ストーブやガスストーブのような湿気を出す暖房器具が増えたことがあげられます。
あるお宅のお嬢さんが喘息で困っているので調べてほしいという話があり調査したところ、やはりカビが原因でした。
石油ストーブをどんどん焚いたら押入れの中にカビが生えて、布団を出し入れするたびに部屋の中にカビをばらまいていたという状況でした。これでは喘息になるのは当然であります。当社では、暖房器具は電気式蓄熱暖房機を推奨しています。特にマンションではかなりの効果があります。
カビの原因 ⇒ 押入れの断熱不足!
押入れには、人が住むわけではないので断熱などいらないといい、施工しない工事業者がいるとすれば論外です。私たちが寝ている間にコップ一杯の汗が出て、約半分位は布団にしみこみます。
それがそのまま押入れに入れば結露します。ビールのグラスと同じで、冷えた表面に結露し至る所に存在するカビの胞子に水分が補給されカビが生えてしまいます。
石油ストーブからもかなりの水分が出ます。補給した灯油の分量に13%以上を加えた量の水分が出ます。
冬季には喉が乾燥すると風邪を引きやすくなるので、医者はストーブにやかんを乗せて湯気を出すように勧めますが、一方では、押入れ内の外気に接した面で結露します。そしてカビが生えて喘息になります。部屋が暖房で乾燥し、洗濯物を室内に干すと、湿度は75%位になってしまいます。
しっかり断熱するか、空気循環(エアサイクル)方式にして壁や床を暖め、湿度50から60%になっても結露しない住宅をつくることが大切であります。
気管支喘息では、ハウスダスト1グラム中のダニ数を100匹以下に減少させると、ぜん息症状がほぼ消失する事が報告され、20匹以下に押さえ込むとダニアレルギーの発作を予防できる事が明かにされています。ということは、ダニをうまくコントロールすることはアレルギーの病気の発症を防ぐことも可能です。
大きく分けて「換気」と「清掃」に大別されます。
1.換気とは?
防カビ対策の基本は室内の換気をおこない、室内の乾燥をする事が最も重要な事であります。
換気とは、空気の流通をおこなう事を換気の本来の意味であり、一般的に窓をあけるだけでは槽内の熱気を逃がすだけで、本来の換気では在りません。
空調業界で、換気回数=部屋の容積×風量(風速)と言われる言葉があります。
これは部屋全体の容積の空気が何回入れ替わるかという事です。
●自然換気のポイント
換気は必ず空気が「入る所」「出ていく所」の空気口を確保しないと正しい換気とは言えません。
一般的には、入る所を1とすれば5倍の出口がないと自然換気はなかなか出来ないとも言われております。
それだけ、空気は粘性があると言えます。特に室の角は風がよどみ、カビ菌が発生する事となります。
四季の変化・部屋の配置・窓の位置などを考慮し、いかに風を反強制的に各部屋に取りこみ風の循環を効率的に行なう事でカビの繁殖はかなり防止できます。
— 強制的に各部屋に風を取込む方法として —
従来の和風建築は、室内の温度が外の温度より5〜6℃も高ければ、無風状態でも1時間に3回程度の空気入れ替えがありました。しかし、高度に断熱気密化された住宅や、鉄筋コンクリート建築でアルミサッシを用いた建物の換気回数は、0.2〜0.3回/時間程度まで低下し、従来の建物のそれと比べて1/10以下になっているのが現状です。
住宅構造や住まい方が変わっている中で、自然素材である畳にカビば生えるのは当然であり逆に、ライフスタイルを変える為の赤信号であると考えます。
●社会問題となっているカビ菌
畳は部屋の有害物質を吸着すると言われており、特に部屋の水分を吸排湿する優れた機能を持っております。畳1枚で約500ccも吸収し、湿気の多い部屋等1リットルも吸収します。以前は、家庭で大掃除とともに、畳干しをおこない、吸収した水分の発散を促し、畳を本来の機能に戻しておりました。しかし現在では、大掃除の習慣も薄れ、住宅環境の変化により、畳が、カビ・ダニの原因の一つとなっています。又、部屋の壁は、ほとんどが吸湿性のないクロス等で施工されており、吸湿するのは「畳」だけという事になり、大変難しい状態になっています。畳は、天然素材が減少した住まいの中で孤軍奮闘して必死で湿気をコントロールしようとしています。しかし、それにも限界があります。定期的に畳の水分を測定する事により、湿害の被害を未然に防ぐ事が出来ます。特に畳の上にじゅうたんやカーペットなどがある場合は湿気の逃げ場が無いので健康な住環境とは言えません。
●参考資料─本畳の吸放湿性のメカニズム
本畳床は天然素材(稲わら)であるため、室内の環境条件によって、湿気の吸放湿を自動的に行う湿度調整機能があり、6畳1部屋あたり約3リットルの水分を吸収し、乾燥してくると放湿するという自然のエアコン作用をそなえています。
室温30℃で湿度90%の状態では、急速に湿気を吸収し20℃で湿度50%の状態では、短時間に放湿する機能があり、晴れた日には換気する事が大切です。
●市販の防カビ剤/防カビ商品について
JIS規格(JIS Z 2911カビ抵抗性試験)では、カビ菌5群13菌にいずれか5菌または、指定菌3菌に対して有効であれば防カビ剤として承認が取れますが、殆どの防カビ商品の多くは、すぐにカビが発生することは多く有ります。これは6万とも8万とも言われるカビ菌に対してなすすべも無い状態であるとも言えます。
●弊社商品比較
一般製品では180〜200菌程度 ⇒ 弊社2倍の抗菌力で400菌まで効果有り。
O-157・MRSA・サルモネラ菌などの細菌に対しても抑制力が確認されております。(食品分析センター分析 データ参照)
LD値とは、 ラットやマウスを使い、口から強制的に投与し、 2週間で動物の半数が致死した投与の量を体重1kgに換算したものです。 つまり数字が低いほど毒性が強い事になります。(現在公的機関では限界値"20,000mg/Kg"まで、 LD値を検査しています。)
カビは奥まった通気の無い所の好んで繁殖します。ただなかなか見れないのが現実ですが、カビの臭気で判断する事となります。臭いは常に嗅いでいると慢性化し自分では判断が出来ません。他人に嗅いでもらう方法が確実かも知れません。
お家診断(カビが多く発生する所)
浴室・洗面所・台所・北向きにある押入・床下・下駄箱・家具裏など
図は空気温度が高くなれば成るほど、多くの水分を抱え込む事ができ、温度が低いと僅かな水分しか含む事がお解り頂けます。空気は温度により膨張・収縮を繰り返す特性があります。
このことは、夏場に洗濯物が良く乾き、温度が低い冬場では、乾燥するまで時間がかかる事で実証できます。
また、濡れた髪の毛を乾かす時、ヘヤードライヤーを熱風にすれば乾きが早くなる事でご理解頂けます。
右図は、一般家庭での生活で発生する単位時間当りの水分(g)量です。
家の中で充満した水分は、徐々に各部屋に移動し最も温度が低いところから「結露」する事になります。
全く換気しないで、夕食の支度・部屋の暖房・入浴・就寝までの水分量は1リットルのペットボトル3〜5本程度になる場合があります。
例えば、20℃の湿気をいっぱいに含んだ空気が10℃のお部屋に入れば空気の容積は収縮し 17.3g−9.4g=7.9g の水が結露水となり窓のサッシ部分や壁などに溜まります。
サッシは結露しなくなったが他に所に結露するようになった、カビの無い部屋までカビが発生した!
この原因は、結露ポイントが移った事によります。結露は温度が低い所から始まる現象です。従来の1重のサッシは温度が最も低く、家に溜まった水蒸気を除湿していたことで他の部屋への湿害を防止する効果があったと考えます。
対策は家屋全体に溜まった湿度を下げる為に除湿・換気が最善の方法です。
お部屋に溜まった空気をそっくり入れ替える方法
頻繁に結露(カビが発生)する壁に沿うように湿度計を取り付け、壁面付近の湿度を測定します。湿度計の表示が80%以上になると、僅かな温度変化で壁面に結露が起こる可能性が大きくなっていることを示し換気・除湿する事をお勧めします。
(注)湿度計の下にテレビやストーブなどの熱源があると正しい湿度の測定は出来ません。出来るだけ無風状態で熱源が付近に無い所に設置してください。
方位 | 押入 | 浴室 | 居間 | 寝室 | 台所 |
---|---|---|---|---|---|
東 | 7.5 | 10.9 | 16.4 | 16.9 | 15.7 |
西 | 16.3 | 15.0 | 9.6 | 16.9 | 14.3 |
南 | 7.5 | 4.5 | 23.3 | 18.1 | 10.0 |
北 | 60.0 | 58.2 | 35.6 | 38.6 | 51.4 |
試験菌 | 区 分 | 開始時 | 24時間後 |
---|---|---|---|
大腸菌 | 試験液 | 8.3×105 | 200 |
0-157 | 対 象 | 8.3×105 | 8.9×105 |
●安全基準認定取得
●効果持続性試験
恒温構湿試験器にて培養試験
●お風呂
通常の10倍のカビの胞子が浴室に充満。最も危険な空間です。
① 掻き落し壁カビ取り洗い
② 防カビ殺菌処理
③ 防カビ下地施工
④ 塗装処理(客先指定指定可能)
⑤ 完成後仕上げ処理
一般の水性塗料に防カビ剤原料を混入し塗布します。
完成後再度塗装面上から仕上げ処理をおこないます。
■保証:3〜5年
■価格:¥63,000〜
状況により施工方法価格は変動します。
●押入れ
寝具からの湿気が原因、カビの胞子で寝具の汚染・壁も侵食します。
① カビ取り・殺菌施工
② 防カビ施工前処理
③ 防カビ仕上処理
外壁側にある押入は特に結露が頻繁に起こる可能性が高くカビの被害が多くなります。
■保証:3〜5年
■価格:2,100/m2〜(20m2以上)
状況により施工方法価格は変動します。
●外壁
タイル・石材・コンクリート・木材などの防藻対策と侵食防止
特に北向きの壁面に藻が繁殖、塗装しても必ず藻は生えます。
① 藻洗い工程・殺菌処理
② 防藻施工下地処理
③ 防カビ藻仕上げ施工
藻のある部分だけの処理の為、塗装施工より安価で防藻効果は長期間持続します。
■保証:3〜5年
■価格:2,520/m2〜
状況により施工方法価格は変動します。